
臨床から生まれた技を
科学で確かめ
社会へ還す。

奈良 松範
江戸時代に治安維持を担当する与力や同心の住居が集まっていた、東京の八丁堀という場所で生まれました。
研究のはじまりは、東京理科大学大学院において、災害時の人の心理状態を分析するというテーマでした。その後も継続して、私たちを取りまく環境が私たちの心理および生理に及ぼす影響について研究を続けています。
1990年頃より、様々な環境に置かれた人の心理および生理的な変化を各種の環境測定器、脳波計および心理学的計測という手法を用いてデータの集積を行い、環境が人に及ぼす影響を定量化してきました。その結果、心と体はどちらもリズムに合わせて働いていること、そのリズムは音楽のようなリズムではなく、ゆらぎを持ったリズムであることを明らかにしました。
簡単にいえば、この“ゆらぎリズム”から外れると病気になるということです。最近、量子力学という言葉をよく耳にします。ゆらぎリズムは量子力学の考え方にきわめて近いものでした。
詳しい説明はしませんが、私たちの心と体は量子力学という新しい学問のスコープを通じて見ることにより、その理解度が高まります。これまで見えなかったものが見えるようになったのです。
今回、鍼灸を活用した医療の実践において、治療効果を科学的に測定し、分析することにより、どの程度の効果があったのか、今後どのような対策を立てれば良いのか、このような疑問に的確に答える仕組みを作りました。
しかし、この仕組みがあっているのかどうか検証をする場が必要です。
そのような中で院長・塚田と出会い意気投合し、何と量子力学の理論と東洋医学の根底にある理論の似ている点に気づかされました。
そこで本治療院 "人と動物の調律 とも" にてデータを取得し、そのデータを活用した研究を行う運びとなりました。
この研究を推進することで治療効果はあったのか、この治療でいいのか、治療をいつまで続けるのか、自分自身でできることはあるのか、このような疑問に対してオーダーメイドで応えることが可能となる未来を拓こうと考えております。
【経歴】
1988年 工学博士
1992年~2002年 東京理科大学理工学部講師
2002年~2016年 諏訪東京理科大学大学院教授
2018年~現在 琉球大学工学部客員研究員
